Art communication = education × mucchu × artlife’s @design blog.

[小学校 図工科の授業] 対話・共創・繋がりを通して、社会変革(SDGs・IoT等)をみんなで考えるblog @話題提供

当たり前という視点をやめる。

f:id:mucchuart:20200630225155j:image

お説教より前に"環境設定"を

 学校ってそもそも誰のためにありますか?

 「子どものため」という回答が多数を占めると思う。

 しかし、その当たり前から見直したい。

 子どものためというワードはもちろん正解だと思う。

 しかし、子どものため"だけ"ではないはず。

 そこに関わる全ての人にとって、価値のあるものになっていなくては、そこに生まれてくるはずの価値が見えてこなくなってしまう。

 (人は誰しも、自分があってこそな生き物であることは変えられないし、それがなくては人を大切にはできないから。)

 ズレや差というものから学ぶこともあるのかもしれないが、ここで言いたいのはそうした差ではない。

 価値観のズレは、それは決していい方向には向かないズレになってしまう。

 

 先生は"教える人"。もうこの考えはやめる。共に学び、成長し続ける人です。

 子どもは"授業を受ける人"。いえ、出会い方や学び方で可能性を無限に広げられる人です。

 保護者は"通わせる人"。いえ、子どもと共に人生を歩む最高のパートナーです。

 地域の方は、"地域の方"。いえ、全てを支えてくれる方々です。

 上げたらきりがありませんが、学校という名の場に関わる方々、全員がかけがえのない存在である。

 

 しかし、誰か一人が他人事にしてしまった時点で、そのバランスは簡単になくなる。

 他人事から自分ごとに変化するには何が必要なのだろうか?

 最近はずっとそんなことを考え続けている。行動もしている。でもどれも正解とは思えない。でも止めない。

 

 一つ言えるかもしれないのが、自分ごと化に必要なのは根性論ではないということ。

 必要なのは「環境設定」その言葉が最近は1番しっくりきている。 

 

 図工科で、はじめての単元を「世界で一つの〇〇をつくろう!」というテーマで、今までの体験や経験・学びを生かし、自分だけの作品をmucchuにつくろう!というめあてを元に、自己紹介を兼ねて、一人ひとりと対話しながら、その作品にかける思いや今までの学びをインタビューしながら制作を見守っている。オリエンテーションを含む単元のため、子どもたちも緊張やわくわくなど、様々な感情の中でも、自己表現をよくしている。

 そんな中、「材料が何もない。」という子がいた。

 5年前までだったら、お説教?指導?が先行していたかもしれない。

 

 「なぜ持ってこない?」「理由は?」

 この言葉を今は、自分に問いかけるようにしている。

 

 「この子はなぜ持ってこない?」・・・簡単だ。まだ図工の時間が魅力的になっていない。かけがえのないものになっていないから。

 「理由は?」・・・持ってきたくなるような空間・環境にできていないから。

 

 こうしことにまず教員が取り組むことが優先だと思っている。学ばないのではない、学びたくなる空間にする。

 初回の授業から全員がそんな意識になっている、なんて言ったらその方が不自然である。

 

 それを共に創り上げていくのには時間はかかる。

 だんだんでいい・徐々にでいい。でもいつの日か、一歩その部屋に入るだけで、その日1時間でも図工があると思えるだけで、翌週をすでに今週から楽しみに思える。そんな時間になって、そして誰から言われるでもなく、自ら学びたくなる空間になっていればそれがいい。

 それが学校全体に広がっていったら、どの授業、どんなことをしているときもそんなわくわくの中にいたら、子どもは一体どこまで成長していくのだろうか。

 

 教員はその最高の場を作るファシリテーターであり、デザイナーであり、サポーターであればいい。

 教える人ではそうした空間は作れない。

 

 「忘れ物しました。」「やる気ないの?」ではない。

 根性論では、この先のsociety5.0時代には応用できないし、ただただ学ぶことが嫌いになるだけだ。

 

 その視点からいかに教員が誰よりも学べるか。そうしている姿を子どもたちが見て、何を感じ取ってくれるか。

 そっちの方が、何倍もクリエイティブな視点や思考が双方の中に生まれてくる。

 学ぶことをさせるためにお説教をするのは大人の都合。

 学ぶことがどれほどかけがえのないことか。それを大人たちが実践し、その姿を見せられているだろうか?

 

 私も、一人の父親としてという肩書ではなく、先生という肩書ではなく、常に素敵な生き方を楽しみながら探し、その過程を共に歩む最高のパートナーが奥さんであり、娘であってほしいと思っている。

 

 学校でもそう。世界70億人の中から出会えた奇跡。

 大人も子どもも関係なく、出会えたすべての人から学べることに感謝の気持ちを忘れない。

 

 言わされるありがとうからは決して感じられない。

 心から"ありがとう"と言えているかな?

 そうした環境下にいるかな?

 そんな感情が溢れ出るには、空間や環境がとても大切。

 

 そうしたことが溢れる空間・環境のあり方について、ずっと模索し続け、この世界が少しでも明るく元気になったらいいなと思っています。

 

 今回もお読みいただき、ありがとうございます。

 ほんとうに遠回りですが、20年先がよくなっていくようなblogに成長していきたいと思っています。

 家庭 ×  教育 ×   社会 ×   環境 ×   熱意 = 平和  

 人と人・人と環境を紡ぐblogを目指して。

「大切なことを、大切にできる人」が増えていけば、世界が抱える課題は、あっという間に希望へと変わっていく気がします。

 

 次回 :「オンライン学習とオフライン 〜いつ飲み屋さんに行けるんだろう〜 」

 今度ともご愛読の程、よろしくお願い致します。

 @mucchuart